花粉症の症状とは?花粉症のメカニズムや治療方法も解説
- みらいクリニック大阪北浜 院長
- 3 日前
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日本では花粉症の患者数が年々増加しており、現在2人に1人が花粉症であると言われています。また、発症する年齢も若年化してきており、まだ小さなお子さんでも辛い症状が出てしまうことが多くなってきているようです。治療をせず放置すると、より症状が悪化してしまったり、目の痒みや鼻づまりなどの症状で日常生活に支障をきたすこともあります。花粉症の症状にお悩みの方は大阪市中央区のみらいクリニック大阪北浜にご相談ください。

花粉症のメカニズムとは
花粉などのアレルギーの原因物質(アレルゲン)となるものが体内に侵入した時に、対抗する物質として体内でつくられるものを抗体と呼び、侵入してきた異物(アレルゲン)と結合して体外に排除しようと働きます。
花粉症では花粉(アレルゲン)が体内に侵入することでIgEという抗体が生成され、このIgE抗体がアレルゲンと結合することでヒスタミンやロイコトリエンなどの化学物質が大量に放出されて、アレルギー症状が起こる準備が整います。
この準備が整った状態を「感作」といいます。そして放出された物質が神経を刺激し、症状が現れることを「発症」といいます。
花粉症の症状
くしゃみ
花粉が体内に侵入すると、それを体外へ追い出そうとする働きによってくしゃみが出ます。
喉のイガイガ感が気になる方は、うがいをすることで口や喉に付着した花粉を洗い流して喉の気になる症状を改善することができます。
まだうがいが難しい小さなお子さんは、水分補給をしてのどの花粉を洗い流すのも良いですね。
また、鼻粘膜に付着した花粉を洗い流すために鼻うがいをする場合、水道水は塩素などを含んでおり粘膜を傷つける可能性があるので、必ず体液に近い生理食塩水や鼻うがい用として販売されている製品を、用法容量をしっかりと守って使用するようにしましょう。
他にも、医学的にしっかりと証明されているわけではありませんが、マスクやメガネを使用できない小さなお子さんには、純度の高い白色ワセリンを、目や鼻の周りに少量塗布することで花粉の侵入予防に効果があるといわれています。
口に入ってしまう可能性があるため就寝前の使用は避けたり、ワセリンのアレルギーがないか腕に試し塗りをしてから使用することがおすすめです。
また、外出の際に塗布したワセリンには花粉が付着している可能性がありますので、帰宅後はしっかりと拭き取ったり洗い流すようにしましょう。
鼻水
花粉やウイルスなどが侵入すると、体内から洗い流そうとする働きによって鼻水が排出されることをアレルギー性鼻炎といいます。
風邪などでは黄色や黄緑がかった粘り気のある鼻水が出ますが、花粉症の鼻水はさらさらとした水っぽい透明のものになります。
お子さんは花粉症と風邪を併発することも多いため、判断が難しい場合は受診をおすすめします。
また、鼻をかむ時に間違った方法で鼻をかむと鼻血が出たり、副鼻腔炎などの花粉症とは違う病気を招いたりすることもあるため正しい方法で鼻をかむことが大切です。
柔らかいティッシュを使用し、片鼻ずつゆっくり優しく鼻をかむようにしてみましょう。鼻がかめない小さなお子さんは温かいタオルで鼻を温めて鼻水を柔らかくしたり、市販の鼻水吸引機を使用してみるのも良いですね。
鼻づまり
花粉などのアレルギー反応により鼻粘膜が腫れたり、血管が広がってしまうことで鼻づまりが起こってしまいます。
特に睡眠時や寝起きは副交感神経が優位になり、血管が拡張するため鼻が詰まりやすくなってしまいます。
そのため睡眠不足となり日常生活に影響が出てしまう人もいます。鼻づまりには点鼻薬が有効ですが市販のスプレー薬で血管収縮剤が入っている場合には、使いすぎると鼻粘膜が腫れて余計に鼻づまりがひどくなることもあるため注意が必要です。
市販薬を使用していて効果が感じられない場合や特定の症状に効く薬を使用したい場合、点鼻薬にも様々な種類がありますので症状や体質にあったお薬を一緒にみつけていきましょう。
目の痒み
体内で放出されたヒスタミンなどの化学物質が、目の血管や神経を刺激することで、目の痒みや充血などの炎症が生じます。
目の結膜という白目の表面から、瞼の内側を覆っている薄い膜の部分に花粉が付着して炎症が起こったものを結膜炎といいます。
目のかゆみなどが出るため、つい目を触ってしまいますが、こすったり掻いたりすることで、角膜に傷がついたり細菌が目に入り感染症を引き起こしてしまうこともあります。
ご自宅でできるケアとして、花粉症用のメガネやゴーグルを着用する、ハンカチやタオルで包んだ保冷剤で目の周囲を冷やす、専用の洗眼液を使用して目を洗うことなどで痒みやゴロゴロ感が少し落ち着くかもしれませんね。
点眼薬には様々な種類があり、症状の程度などにより使用するものが変わってきます。症状が辛くなる前に病院を受診し適切な種類の点眼薬を使用することがおすすめです。
肌荒れ
皮膚にはバリア機能という紫外線や大気中の汚れ、花粉などの外的刺激の侵入を防いだり、肌内部の水分蒸発を防ぐ機能が備わっています。
しかし、乾燥や摩擦刺激が加わることによりバリア機能が低下しやすくなります。
特に春先は空気が乾燥しやすくバリア機能も低下しやすいため、花粉などの外的刺激が侵入しやすくなったり、ティッシュで鼻をかんだり目を擦るなどの摩擦刺激を受けることで肌荒れが起こりやすくなってしまうのです。
そのため柔らかいティッシュを使用したり、しっかりと保湿を行うことで肌の乾燥を防いでバリア機能の低下を起こさないようにすることが重要です。
倦怠感
身体には自律神経という免疫力をうまく働かせるための機能が備わっていますが、睡眠不足や運動不足などは自律神経が乱れる原因ともなります。
自律神経が乱れることで、免疫力が低下しアレルギー反応が強く出てしまうこともあります。
花粉症から起こる目のかゆみや鼻づまりなどの症状や自律神経のバランスが乱れてしまうことや、内服薬の副作用として眠気や倦怠感を伴うこともあります。
子どもは、花粉症の症状が原因で睡眠不足の状態が続くと、昼間にぼーっとしたり元気がなくなることもあるので注意してみてあげましょう。
身体のだるさを軽減させるために、花粉症に対する適切な治療を受けることや、栄養バランスの良い食事の摂取、そして十分な睡眠をとることがとても大切です。
頭痛
花粉症で鼻が詰まって脳に酸素が行き渡らなくなったり、鼻の奥で炎症が起きて副鼻腔炎になってしまうことで頭痛が起こることがあります。
また、子どもは鼻の奥と耳の中を繋ぐ耳管が大人より太く角度が緩やかなため、体内に侵入した細菌やウイルスが耳の中へ侵入しやすく、中耳内の圧をうまく調節できないことで中耳炎や副鼻腔炎などを併発することも多くなります。
耳を気にしていたり頭や耳を痛がる様子、発熱などの症状にも注意が必要です。
花粉の飛散時期
春の時期になると花粉症の症状に悩まされる方が特に多くなりますが、1年を通して様々な種類の花粉が飛んでいるため、年間を通じて花粉対策を行うことが重要となります。
スギ花粉は1月下旬頃から5月にかけて飛散し3月がピークとなります。ヒノキ花粉はスギ花粉より少し遅く、3月下旬頃から6月にかけて飛散し4月がピークとなります。
1日の中では、早朝飛散した花粉が昼頃まで多くなり午後に一旦落ち着きます。そして夕方、気温の低下による空気の対流で上空の花粉が舞い上がるため、再び飛散します。
また雨の日は、雨と一緒に落ちてくるために花粉量が多くなり、地面に落ちた花粉が舞い上がってしまう雨上がりにも注意が必要です。
花粉の原因となる植物
現在日本では約50〜60種類の植物が花粉症の原因になると言われています。なかでもよく耳にするのはスギやヒノキではないでしょうか。
スギとヒノキはどちらもヒノキ科で北海道南部から九州にかけて植林されており、花粉の飛散距離も広範囲であるためアレルギーを発症する人が多くみられます。
他にもほぼ一年中花粉が飛散しているイネ科のカモガヤや、秋花粉の代表格といわれ日本で一番最初に花粉症の原因と報告されたキク科のブタクサなどもあります。
また、本州とは違い北海道の気候はスギ花粉の生育にあまり適しておらず、スギ花粉症の人は少ないと言われています。
しかし寒冷な気候でも育つことができ、沼地や湿地に多く生えるカバノキ科のハンノキやシラカンバからもアレルギーの原因となる花粉が飛散しているため、日本では全国各地年間を通して花粉症対策が重要であるといえますね。
花粉症の治療方法
花粉症の治療法には薬物療法、アレルゲン免疫療法、手術療法などがあります。
アレルゲン免疫療法とは原因となるアレルゲンを少しずつ投与し身体のアレルギー反応を弱める治療法で、注射製剤(皮下免疫療法)と舌下免疫療法があり、現在日本ではスギ花粉とダニに対する舌下免疫療法を保険適応で受けることができます。
薬物療法では内服薬や点眼薬、点鼻薬を用いて治療を行います。
内服薬では、即時アレルギー(身体に入ってからすぐに症状が出るもの)であるヒスタミンの働きを抑えることで、くしゃみや鼻水を抑える効果を発揮する抗ヒスタミン薬や、気管支を拡げたり粘膜腫脹を抑える効果を発揮することで鼻詰まりや咳、息苦しさの改善に有効な抗ロイコトリエン拮抗薬など使用します。
内服薬だけでなく点眼薬や点鼻薬にも様々な種類があり、症状の程度などに合わせて患者様それぞれに合うお薬を一緒に選んでいくことができますので、ぜひ一度ご相談ください。
花粉症の症状にお悩みの方は、大阪市中央区のみらいクリニック大阪北浜にご相談ください
今回は花粉症のメカニズムや様々な症状、治療法についてだけでなく、花粉症の原因となる植物をスギ花粉やヒノキ花粉以外にも紹介いたしました。
春の時期だけでなく一年中花粉症のような症状に悩まされている方は、一度、スギやヒノキ以外のアレルギー検査をしてみるのも良いでしょう。
花粉症の治療では、本格的な飛散時期が来る前に飲み始めると良いお薬であったり、点眼薬や点鼻薬などにも様々な種類のお薬がありますのでご自身に合ったお薬を一緒に見つけていきましょう。
花粉症のお悩みがある方はみらいクリニック大阪北浜までご相談ください。オンライン診療・院内診療に対応しており、LINEからご予約・お問い合わせ可能です。いつでもご相談お待ちしております。
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