花粉症による目のかゆみはどうすればいい?予防法・対処法をご紹介
- みらいクリニック大阪北浜 院長
- 6月27日
- 読了時間: 9分
花粉が多くなる時期、掻かなくても痒いけど、掻いたら余計に痒くなる…など目の痒みや目が充血してしまうことに対してお悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。
ゴシゴシと目を掻きたくなることもあるかと思いますが、実は目をこすることで、さまざまなリスクが生じてしまうのです。
今回は目が痒くなる理由から、治療方法について解説していきます。花粉症による目のかゆみでお悩みの方は、大阪市中央区のみらいクリニック大阪北浜にぜひ一度ご相談ください。

花粉症で目のかゆみが発生する理由
花粉などのアレルゲン(アレルギーの原因物質)が体内に侵入したときに、これに対抗する物質として体内でつくられるのが抗体です。侵入してきた異物(アレルゲン)と結合し体外に排除しようとする働きをします。
花粉症では花粉(アレルゲン)が体内に侵入するとIgEという抗体が生成されます。このIgE抗体がアレルゲンと結合することで、ヒスタミンやロイコトリエンなどのアレルギー症状を引き起こす原因となる化学物質が大量に放出されます。
放出されたヒスタミンなどが目の血管や神経を刺激することで、目の痒みや充血などの炎症が生じてしまうのです。
こうして目の結膜という白目の表面部分から、まぶたの内側を覆っている薄い膜の部分に花粉が付着して炎症が起こったものを結膜炎といい、花粉など特定の季節のみに症状が現れるものを季節性アレルギー性結膜炎、一年中症状が現れるものを通年性アレルギー性結膜炎と呼びます。
花粉症で目をかいてしまうリスク
痒みがあるとついつい目をこすってしまいがちですが、目をこすることは様々なリスクを伴います。
①角膜に傷がつく
目の黒目部分を覆っている一番表面にある組織を角膜といい、細菌などの侵入を防いだり、視覚に関する重要な役割を担っています。
目をこすることで角膜に傷が入り、目が霞んで視界がぼやけたり、ゴロゴロして違和感を感じることもあります。
角膜に傷がついたまま放置すると角膜炎や角膜びらんという角膜の表面が剥がれ、強い痛みが生じる可能性もあります。
特にコンタクトレンズを使用している方は傷が治りにくいため、注意が必要です。
②感染の恐れ
手で目をこすることによって、手についた細菌などが目に感染してしまう可能性があります。
③網膜剥離や白内障につながる可能性
脳に映像を伝える役割のある網膜とよばれる薄い膜や、見えている映像のピントを合わせてくれる役割のある水晶体という部分にダメージが加わると、網膜剥離や白内障などが起こり視力低下や失明につながる恐れもあります。
花粉症による目のかゆみの予防方法
①保護メガネを着用する
花粉が体内に侵入するのを防ぐために、マスクやメガネを着用するのがおすすめです。
最近では、花粉症専用のメガネやゴーグルタイプのものなどもありますので、ご自身のライフスタイルに合うものを選んで使用することで、花粉症対策になります。
メガネをかけたまま転んでしまうことで、メガネが割れて目が傷ついてしまうこともあるため、運動時は外したり、小さなお子さんが使用する際は大人の方に見守りを行っていただくことで、安心して使用していただけるかと思います。
②花粉を室内に持ち込まない
外出後は、玄関前で帽子や服をはたいてから家の中に入ることで、花粉の持ち込みを減らすことができます。
小さなお子さんはウィンドブレーカーやカッパなどツルツルした素材のものを羽織るだけで花粉の付着を防ぐことができます。
また、花粉が多い時期や時間帯などはできるだけ洗濯物の外干しを避けることをおすすめしますが、外干しをした際はよくはたいてから取り込むことで、室内に持ち込む花粉の量を減らすことができます。
③帰宅後はすぐに花粉を洗い流す
外から帰ってきた時にはすぐに手洗いうがいをするようにしましょう。
うがいには口や喉に付着した花粉を洗い流し、喉のイガイガ感を改善してくれる効果があります。
小さなお子さんでうがいが出来ない場合は、水を飲むことで喉に付着した花粉を流すことができます。
また、手に花粉がついたまま目をこすってしまうことで、より症状が悪化することもあるので、石鹸を使ってしっかりと手洗いを行いましょう。
手洗いうがい以外にも、お風呂に入ることで髪の毛や顔に付着した花粉を洗い流すことができるので、帰宅後できるだけ早く入浴するのもおすすめです。
④生活習慣を改善する
睡眠不足や運動不足では、免疫力を活性化させる役割のある自律神経が乱れることで、身体の免疫力が低下し、アレルギー反応が強くなってしまい症状が悪化する可能性があります。
適度な運動を継続して行い、夜はしっかり眠るというサイクルを身につけることで、免疫力が高まり、花粉症だけでなく他の病気の予防にもつながっていきます。
また、花粉症予防として、食生活もかなり重要になってきます。
腸には、食べ物などと一緒に侵入したウイルスが体内に取り込まれるのを防ぐため、免疫機能に関わる細胞が体全体の半分以上集まっていると言われています。
また腸内細菌には免疫の過剰反応を制御し、アレルギーの症状を軽減するはたらきもあるので、腸内環境を整えることがとても大切になってくるのです。
腸内環境を整えるためには、善玉菌である乳酸菌やビフィズス菌が多く含まれているヨーグルトや納豆、キムチなどの発酵食品がおすすめです。
他にも、善玉菌を増やしてくれる食物繊維が多く含まれたワカメ、昆布などの海藻類や、きのこ類も積極的に摂取してみると良いですね。
少し専門的にはなりますが、サバやアジなどの青魚に多く含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)やココアやチョコレート、緑茶やルイボスティーなどに多く含まれるポリフェノールには、アレルギー症状を引き起こすヒスタミンやロイコトリエンの放出を抑える効果があると言われているので、気になる方はぜひ食生活に取り入れてみてください。
花粉症による目のかゆみの対処方法
①洗眼する
目のゴロつきや異物感、目やになどが気になる場合は洗眼薬を使ってみると良いでしょう。
洗眼をすることで、目の表面だけでなく目の中までしっかりと花粉や目の汚れを落とすことができます。
洗眼を行う時は、目の周りのメイクを落としたりスキンケアの前に行うことで、メイク汚れやスキンケアの成分が目に入ってしまうことを防ぐことができます。
ただし防腐剤が含まれている洗眼液や、塩素が含まれている水道水は目を傷つけてしまう可能性があるため、専用の洗眼液を使用して行うようにしましょう。
また、洗眼をしすぎると涙まで過剰に洗い流されてしまい、目の表面のバランスが崩れてドライアイの原因になることもありますので、用法容量をしっかりと守って使用してくださいね。
②目薬を点眼する
目が痒くて辛い時には目薬を使用するのもいいですね。
花粉症に使用する目薬には沢山の種類があります。まず抗アレルギー点眼薬という、アレルギー反応によって起こる目の痒みや充血に対して使用する点眼薬があります。
その中には、アレルギー症状の原因となるヒスタミンの作用を制御することで、目の痒みなどを抑える効果のある抗ヒスタミン点眼薬や、ヒスタミンが放出されること自体を防ぐ作用があり、アレルギー症状が出る前や花粉の飛散量が増える前での使用がおすすめなケミカルメディエーター遊離抑制点眼薬などがあります。
抗アレルギー点眼薬では症状があまり改善しない場合や、角膜に傷がついた場合などにはステロイド点眼薬を使用しますが、眼圧上昇や緑内障、白内障などの副作用に注意が必要なため医師や薬剤師の指導に従って使用するようにしましょう。
また、ステロイド点眼薬の使用や他の治療でも改善しない重症時には免疫抑制点眼薬を使用しますが、免疫を抑制して症状を抑えるため、目の免疫力が低下し他のウイルスに感染してしまう可能性もあります。
副作用が生じるものもあるため、どの目薬を使用すればいいかわからない場合はかかりつけの眼科やお近くの医師、薬剤師に相談してみてくださいね。
③タオルで目を冷やす
目の痒みや充血は、冷やすことで血管が収縮されて症状が軽減されるため、冷たいタオルや保冷剤を使って軽く冷やすのがおすすめです。
この際、冷やしすぎると目が乾燥して症状が悪化したり、凍傷になる可能性もあります。保冷剤を直接肌に当てて冷やすことは避け、必ずハンカチやタオルで包んでから冷やすようにしましょう。
花粉症による目のかゆみの治療方法
目の痒みの治療法として上記で紹介した目薬を使用するのも有効ですが、根本的な花粉症の治療法としてアレルゲン免疫療法(舌下免疫療法)について紹介していきます。
アレルゲン免疫療法とは、原因となるアレルゲンを少しずつ投与し身体のアレルギー反応を弱める治療法で、注射製剤(皮下免疫療法)と舌下免疫療法があり最近では舌下免疫療法が主流になってきています。
現在日本で舌下錠は、スギ花粉とダニに対するものが保険適応となっています。
多くの人に効果があり5歳以上のお子さんも使用できますが、完治するには3〜5年間治療を続ける必要があります。
副作用はまれですが、口の中の痒みや違和感などが出る場合もあります。舌下錠は胃から吸収されて効くのではなく舌の下が吸収部位となるため、違和感を感じた場合は、舌の下で溶けた後は飲み込まず吐き出してください。
事前に抗ヒスタミン薬を服用してから舌下免疫療法を行うことも効果的です。治療方法などについて気になる場合はぜひご相談くださいね。
花粉症による目のかゆみでお悩みの方は、大阪市中央区のみらいクリニック大阪北浜にご相談ください
今回は目の痒みが起こってしまう原因や、目を掻くことによって引き起こされるリスク、また様々な目の痒みの予防方法や根本的な花粉症の治療など、目の痒みに特化した情報を紹介しました。
年々花粉症の患者数は増加しており、若年層の方も症状が出やすくなっていると言われています。目の痒みだけでなく鼻水やくしゃみ、花粉による肌荒れなどその他の症状も合わせて、花粉症のお悩みがある方は一度、みらいクリニック大阪北浜までご相談ください。
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