睡眠時無呼吸症候群の治し方3つ。自力で改善する方法はある?
- みらいクリニック大阪北浜 院長
- 6月27日
- 読了時間: 9分
誰しもがあたりまえのように毎日している「睡眠」ですが、私たちが生きていくのに欠かすことはできません。
睡眠には脳や身体、心の疲れを取り、疲労を回復させるだけでなく、記憶の定着や免疫力の向上にも効果があるのです。
そんな大切な睡眠ですが、寝ている時のいびきなどに悩まされている方も多いのではないでしょうか?
今回は睡眠中にいびきや無呼吸が起こってしまう睡眠時無呼吸症候群(SAS)についてご紹介していきます。
睡眠時無呼吸症候群でお悩みの方は、ぜひ一度大阪市中央区のみらいクリニック大阪北浜にご相談ください。

睡眠時無呼吸症候群を自力で改善する方法はある?
飲酒量を減らす
閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA/OSAS)は肥満や扁桃肥大など、様々な原因により喉や上気道(鼻腔、咽頭、喉頭)が繰り返し閉塞することによっていびきや無呼吸が生じてしまう症状です。
アルコールには筋肉をリラックスさせたり神経の活動を抑制する効果があるのですが、閉塞性睡眠時無呼吸症候群の方は元々喉や上気道が狭くなっているうえに、寝る前に飲酒をすることで喉の筋肉が緩み、舌の付け根が喉の方に落ちてしまいます。
するとさらに気道が狭くなっていびきや無呼吸が起こりやすくなってしまうのです。
飲酒量や体質にもよりますが、身体からアルコールが抜けるのに4〜5時間かかると言われていますので寝る前の4〜5時間は飲酒を控えるよう意識してみるとよいでしょう。
禁煙する
タバコの煙にはニコチンなどの有害物質が多く含まれており、喫煙をすることでこれらの有害物質が気道を刺激して炎症が起こってしまいます。
炎症が生じると、気道がむくみ狭くなってしまうことで呼吸がしにくくなってしまうのです。
喫煙を続けることにより慢性的に気道が狭くなっている状態になるため、喫煙していない方に比べて閉塞性睡眠時無呼吸症候群になるリスクが高くなってしまいます。
当院では禁煙外来もしておりますので、タバコを吸っていて寝ている時のいびきが気になる方や、あまり眠れていないと感じる方、日中の眠気がひどく、集中力が続かないと感じる方は、一度当院にご相談ください。
睡眠薬を服用する
夜あまり眠れていない方は睡眠薬を使おうと考える方もいらっしゃるかと思いますが、「ベンゾジアゼピン系」の睡眠薬には筋弛緩作用という筋肉を緩める作用があるため、服用することで喉や舌の筋肉が緩み気道が狭くなってしまいます。
そのため閉塞性睡眠時無呼吸症候群の方は使用する睡眠薬を慎重に選択する必要があります。
なかには使用可能な睡眠薬もあるため、睡眠薬について気になっている方は医師や薬剤師と相談しながら、自分に合ったものを選択するようにしましょう。
寝るときの姿勢を変える
仰向けで寝ると舌や軟口蓋が喉の方に下がり、上気道を塞ぎやすくなることで無呼吸が生じやすくなってしまいます。
そこでおすすめなのが横向きやうつ伏せの姿勢で眠ることです。
横向きやうつ伏せは舌や軟口蓋が横や前方に自然と移動するため、気道が確保されやすく呼吸がしやすくなります。
しかしデメリットとして、首や腰などに負担がかかることもあるため、枕の高さを調節したり抱き枕を使用するなどしてより快適に睡眠が取れるように自分に合った姿勢を探してみると良いでしょう。
減量する
肥満により閉塞性睡眠時無呼吸症候群を生じている方は、喉や気道周辺にも内臓脂肪が蓄積されており、この脂肪で気道が圧迫されてしまうことにより呼吸が困難になってしまいます。
そのため睡眠時無呼吸の改善には体重の減量もとても重要になってきます。
BMI(体格指数)が18.5以上25未満であれば標準体重とされ、25以上で肥満と判定されます。
内臓脂肪が多いと高血圧や糖尿病など、他の病気を発症する可能性も高くなりますので、甘いものや脂っこい食事をなるべく控えて栄養バランスの取れた食事を心がけるようにすると良いですね。
また、無理なく行える範囲でかまいませんので生活の中に運動を取り入れてみると減量効果も出やすくなりますよ。
舌筋トレーニング
みなさんが口を閉じた際に舌先が触れている場所はどこでしょうか?
舌先が上前歯のすぐ後ろに触れており、舌全体が上顎についている状態が舌の正しい位置であり、舌先が下の歯のあたりに触れていたり、舌全体が上顎から離れている状態は舌が間違った位置にいるということになります。
舌が正しい位置にないと、舌の筋肉が低下し喉の方に舌が落ちてしまいます。それにより気道が狭くなって、口呼吸や睡眠時無呼吸の原因になってしまうのです。
そこで舌の筋力をアップさせるために「あいうべ体操」という舌や口元の筋肉を鍛えるトレーニングをご紹介します。
①「あー」と口をいつもより大きく開く
②「いー」と口を横に大きく広げる
③「うー」と唇を尖らせ前に突き出す
④「べー」と舌を出して顎先の方に伸ばす
この①〜④を1セットとして1日30回を目安に行ってみましょう。そうすることで舌が本来あるべき位置に戻り、口呼吸やいびき症状の改善にも繋がりますよ。
睡眠時無呼吸症候群の治し方
CPAP療法
◇特徴
CPAP療法とは持続陽圧呼吸療法のことで、就寝時鼻に装着したマスクから気道に圧力をかけながら常に空気を送り込むことで塞がった気道が広がり、低呼吸や無呼吸を防ぐ治療法のことです。
CPAP療法は閉塞性睡眠時無呼吸症候群の中〜重症の方が適応となる治療法になります。
機械からの空気圧力は患者さんの症状や状態に合わせて、医師が調整、設定を行います。
睡眠時に継続して使用することになるので、マスクを装着する際は呼吸をしたときに空気が漏れ出ない程度できつく締めすぎず、快適に使用できるよう、適切に調整することが大切です。
◇効果
持続的に空気圧をかけて息を吸い込む時に喉が開くようにする装置のため、睡眠時のいびきや低呼吸・無呼吸を軽減することで睡眠の質が向上し、日中の眠気や身体のだるさの改善にも繋がっていきます。
一方でマスクからの空気圧に違和感を感じたり、鼻や口の乾燥や機械の騒音が気になる方もいらっしゃいますが、工夫をしていくことで徐々に慣れていきます。
CPAP療法を受けたいと考えている方は検査を受けることも可能ですので一度医師にご相談ください。
◇費用
当院でCPAP療法を行う場合は、3割負担の方で、診察費や機械代を含め、毎月約4,000〜5,000円程になります。
毎月1度は診察が必要になってくることと、保険の割合や必要な検査などによって金額が前後する場合もございますので、費用面も含めてぜひ一度ご相談ください。
マウスピース療法
◇特徴
軽〜中等度の閉塞性睡眠時無呼吸症候群の方はスリープスプリントとも呼ばれる口腔内装置(マウスピース)を使用して治療をする方法もあります。
マウスピース自体は歯科医院で作成されますが、内科等で医師から睡眠時無呼吸症候群であるという診断をもらう必要があります。
当院では、当ビル7階にあるIhana歯科大阪さんと医科歯科連携をさせていただいており、睡眠時無呼吸症候群のマウスピース治療に対する歯科医目線の考えをお聞きしました。
「睡眠時無呼吸症候群の治療において、オーラルアプライアンス(OA)と呼ばれるマウスピース型の装置は、日本国内外で重要な治療法の一つとして認められています。
重症の患者でも、CPAPという空気を送り込む治療法がどうしても使えない場合には、代わりにOAを使用することが推奨される場面があります。
また、CPAPと比べて装置が小さく使いやすいため、続けやすいという利点もあります。
特にカスタムメイド型のOAは、既製品よりも装着感が良く、使用を中断する人が少ないことが分かっています。
一方で、長期的に使い続けると、ごくわずかな歯の位置やかみ合わせの変化が生じることがありますが、多くの場合は軽度で問題になりにくいとされています。
OAは患者さんの生活にうまくなじみやすく、現実的で効果的な選択肢の一つです。CPAPを勧められたけれどどうしても使えない、あるいはもっと簡便な方法を試してみたいという方にとって、OAは十分に検討する価値のある治療法だと言えるでしょう。」
◇効果
寝ている間に舌が下がって喉を塞がないように下顎を前に引き出し、筋肉に引っ張られて喉が開くことで気道を拡大させていびきや無呼吸を改善する効果があります。
◇費用
マウスピース治療(OA)は3割の保険負担で約10000円程度の費用となりますが、検査やそれぞれの症状によって前後する可能性があります。
当院では当ビル7階のIhana歯科大阪さんと医科歯科連携をしていますので、睡眠時無呼吸症候群に対するマウスピース治療が気になる方はぜひ一度ご相談ください。
外科手術
◇特徴
睡眠時無呼吸の原因として、扁桃やアデノイドの肥大等がみられる場合は手術を行う場合もあります。さまざまな術式がありますので、いくつかご紹介します。
・口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(UPPP)
上気道の組織を切除したり縫って形状を変えることにより上気道を広げて呼吸をしやすくする手術です。
・口蓋扁桃摘出術・アデノイド切除術
扁桃は4つの組織であり、鼻や口から入ったウイルスや細菌が身体の中に侵入するのを防ぐ免疫の役割を担っています。
口蓋扁桃やアデノイドは身体の成長や炎症、遺伝など様々な原因で肥大することがあります。
基本的には大人になるにつれて小さくなっていくことが多いですが、大きいままの場合は空気の通り道が狭くなりいびきや無呼吸の原因となってしまいます。
そこで全身麻酔下で口の中から摘出する手術が適応となる場合があります。
◇効果
これらの手術を行うことにより、空気の通り道が広がることでいびきの軽減や呼吸がしやすくなる効果があります。
しかし、手術をする場合には痛みや感染症のリスクが伴うことや入院が必要となること、手術の適応が限られる場合があることなどのデメリットがあることも知っておく必要があります。
◇費用
手術内容や入院日数、保険適応などによっても費用が変動する場合がありますので、外科手術を検討されている方は一度耳鼻咽喉科に相談してみるのも良いですね。
睡眠時無呼吸症候群でお悩みの方は、大阪市中央区のみらいクリニック大阪北浜にご相談ください
今回は睡眠時無呼吸症候群(SAS)の改善方法や治療方法をご紹介させていただきました。
みなさんが毎日欠かさず行っている「睡眠」ですが、日本人は世界的に見ても睡眠時間が短く慢性的な睡眠不足と言われています。
原因としては長時間の勤務であったり、スマホやゲームの長時間の使用などさまざまな理由がありますが、なかには早く寝ているのに疲れが取れていなかったり、しっかり眠れた感じがせず満足した睡眠が取れていないと感じている方もいらっしゃると思います。
そのような悩みがある方は、自分では気が付かないうちにいびきや無呼吸が起こっている可能性もありますので、睡眠時無呼吸症候群と診断されていない方でも、いびきや日中の眠気、疲れなどにお悩みがある方はみらいクリニック大阪北浜までご相談ください。
オンライン診療・院内診療に対応しており、LINEからご予約・お問い合わせ可能です。
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