いびきを止める方法10選。いびきの原因や知っておきたい悪影響とは
- みらいクリニック大阪北浜 院長
- 6月27日
- 読了時間: 9分
ここ数年、ご家族にいびきを指摘されたといって受診される方が増えています。
本人に自覚はなくそれほど困っていない、という方も多いですが、一緒に過ごすご家族や、旅行や出張に行った時の同室の方にとっては、睡眠の妨げになっている可能性もあります。
健康への悪影響も指摘されていますので、これをきっかけにいびきの改善に向けて取り組んでみませんか。いびきでお悩みの方は、大阪市中央区のみらいクリニック大阪北浜にぜひ一度ご相談ください。

いびきをかいてしまう原因
そもそもいびきとは何の音なのか、どこから出ているのか考えたことはありますか?
普通に呼吸している時、鼻から入った空気は喉を通って肺に入っていきます。その空気の通り道のことを気道と呼びますが、気道には凹凸があるため部分的に狭くなっている部分が存在します。その狭いところを空気が通る時に周囲の粘膜を震わせることがあり、その振動が音となって発生したものがいびきになります。
そのため、気道が狭くなっているほどいびきをかきやすかったり、ひどいと空気の通り道が塞がれて無呼吸になることもあります。ここではいびきをかく原因やひどくなる原因について解説していきます。
疲労
疲れた日の睡眠は深くなりがちです。そのため、疲れが溜まった日は筋肉が弛緩しやすくなると言われています。
喉の周辺の筋肉が弛緩すると舌が喉奥に落ち込みやすくなり、気道が狭くなりいびきをかきやすくなります。
これは基本的には一時的なものであり、疲れが抜ければ筋肉の緩みも解消するため、それに伴っていびきも改善する可能性が高いです。
飲酒
アルコールも疲労と同様に筋弛緩を促進することが知られています。
アルコールの摂取後は眠りが深くなる(声をかけても反応しなかったりする)ことは何となくイメージが湧くのではないでしょうか。
この時も、筋肉が緩むことで舌根沈下(舌が喉奥に落ち込むこと)が起こりやすくなるため、気道が狭くなりいびきをかきやすくなります。
喫煙
タバコといびきは無関係に思えるかもしれませんが、喫煙者(受動喫煙者を含む)は非喫煙者に比べて、いびきをかきやすいことが知られています。
これは、タバコの煙に含まれる成分が扁桃(喉)の慢性的な炎症を引き起こすために、気道が狭くなるからだと考えられています。
喫煙者だけでなく受動喫煙している家族(子供も含む)にも影響が出ることが分かっているため、自分の健康だけでなく家族の健康のためにも禁煙することをお勧めします。
鼻炎
花粉やハウスダストによるアレルギー性鼻炎がある方は多いのではないでしょうか。
鼻炎とは鼻の粘膜が炎症を起こして粘液を分泌する状態であり、鼻の粘膜が腫れてただでさえ狭くなっているところに鼻水が出るために鼻が詰まってしまいます。すると起きている時は鼻をかんだりして対応できますが、寝ている時は自然と口呼吸になります。
すでに述べたように口呼吸の時はいびきをかきやすくなるため、鼻炎の方はいびきをかきやすいと言えるでしょう。
口呼吸
いびきそのものも自覚することは難しいですが、口呼吸になっているかどうかもまた自分ではわかりにくいですよね。
いびきを指摘されて受診される方の中には、結構な割合で口呼吸になっている方がいらっしゃいます。
口が開いている時は、口を閉じている時と比べて気道が狭くなっているため、いびきをかきやすくなります。
体調不良
風邪をひいている時は、鼻炎と同じく鼻水が出やすく、鼻詰まりが起きやすい状態です。また、体調が悪い時は疲労も溜まっていることが多く、寝ている時に舌根沈下を起こしやすい状態です。
これらの要因が複合してしまうため、体調不良の時は非常にいびきをかきやすくなっていると言えます。
体重の増加
体重が増えるとお腹周りの脂肪も増えますが、それと同時に首回りの脂肪も増えています。首回りの脂肪が増える時には実は喉や舌の脂肪も増えており、空気の通り道が狭くなっています。
したがって、太った(脂肪が増えた)時にはいびきをかきやすくなってしまうため、日頃から適度な運動を心がけるようにしましょう。
更年期障害
女性ホルモンの一種であるプロゲステロンには、気道を広げる働きがあります。
プロゲステロンの分泌は20〜30代がピークであり、それ以降は徐々に減少してきます。そのため女性の更年期においては、プロゲステロンの分泌が減ってくることで、気道が狭くなりいびきをかきやすくなることが知られています。
枕の位置・高さ
自分に合わない枕を使っているといびきをかきやすくなります。
例えば枕が高すぎると頭の位置が高くなってしまい、首が前傾姿勢になるため気道が狭くなり、いびきをかきやすくなります。心当たりのある方は一度枕を変えてみるのもいいかもしれません。
寝る時の姿勢も、仰向けよりは横向きの方がいびきをかきにくいので、横向きで寝やすい枕を探してみるのも一つの方法です。
咽頭扁桃の腫れ・肥大
扁桃腺が大きいと言われたことがある方もいるかもしれません。扁桃腺は感染症などで炎症を起こすと腫れて気道を狭くしてしまうことがあります。
一方で、普段から扁桃腺が大きい(肥大といいます)こともあり、そういった方の場合は常に気道が狭くなっている状態であるため、いびきをかきやすくなっています。
いびきによる日常生活への悪影響
いびきをかくということは、空気の通り道が狭くなっている状態であり、程度によっては十分に呼吸ができていないこともあります。
いびきをかく人は睡眠時無呼吸症候群になっていることも多く、睡眠中に十分酸素が取り込まれていないと、寝ているのに疲れが取れない・日中に眠くなってしまう・運転中に眠気を感じて事故を起こしそうになる、といったことが起こります。十分な時間の睡眠をとっているはずなのに、睡眠不足と同じような状態になってしまうわけです。
それ以外にも糖尿病や高血圧・心臓病といった病気との関連も知られており、単なるいびきとして片付けてしまうにはリスクが高いと言えます。
また自分自身への影響だけでなく、いびきの音のせいで一緒の寝室にいる人が眠りにくかったり途中で起きてしまったりと、身近な人にも悪影響を与えてしまいます。
自分が寝ている時のことであり、努力ではどうにもならないとはいえ、その状態が続くと関係性にヒビが入ってしまうこともあるため、いびきを指摘されたら早めに受診して相談することが必要です。
いびきを止めるには?5つの対策
そうは言っても病院を受診するのはちょっと…という方のために、ご自身でできる対策をいくつかご紹介いたします。
劇的に効果があるとは言えないかもしれませんが、人によってはいびきがマシになるので、可能な範囲でぜひ試してみてください。
①横向きで寝る
いびきの原因として説明した通り、仰向けで寝ると重力の影響で舌が喉の奥に落ち込みやすくなるため、気道が狭くなりいびきをかきやすくなります。
したがって、舌が落ち込まないように、横向きで寝るだけでもいびきが改善することがよくあります。
ただし、寝ている間の姿勢は自分の意思ではコントロールできないことが多く、気が付けば仰向けで寝ていた、ということもあると思います。
ですので、無意識に姿勢を変えてしまわないように、背中側に布団や毛布を丸めておいてみたりして、仰向けになりにくいようにするのも一つの方法です。
寝相によっては丸めておいた布団を蹴ってしまって、効果がない方もいらっしゃいますが、寝相がいい人にとっては効果的な場合もあります。
②枕を変える
今は多くの種類の枕が売られています。今お使いの枕が高すぎるかな、と感じる方は一度買い換えてみてもいいでしょう。
また自分用にカスタマイズでき、高さや幅だけでなく中身の材質も変えられるものもあります。そういったものは普通の枕を買うよりは高くなりますが、お悩みの方は一度検討してみてもいいかもしれません。
他にも、横向きに寝やすくなるような抱き枕もあるので、寝ている時の姿勢を変える意味でも効果があるかもしれません。
③飲酒やタバコの量を減らす
禁酒や禁煙はハードルが高いかもしれませんが、もしお酒やタバコの量が多いなと感じているようでしたら、まずは減らすところから試してみてください。
お酒を減らすことで筋肉の緩みがマシになり空気の通り道が確保されることで、いびきが改善する可能性があります。
一方でタバコは慢性的な炎症を引き起こすため、減らしたからすぐに効果が出るというものではありません。しかし、しばらく減らしていれば徐々に炎症が改善し、その効果は少しずつ実感できるはずです。
禁煙したいけど、自分で挑戦して失敗してしまった、という方は当院の禁煙外来を受診してみるのもいいでしょう。
④減量する
肥満の方は体重を減らすことで、いびきが改善する可能性があります。
体重が増えて太ったタイミングでいびきをかき始めた、という方が多くいらっしゃるように、肥満の方のいびきの原因の多くは首や喉の脂肪にあります。
逆に考えれば、体重を減らしてその部分の脂肪が落ちれば、いびきが改善する可能性は高いと言えます。
日常的な運動や食事といった生活習慣の改善で少しずつ体重を減らすことを心がけてください。
⑤いびき改善グッズを使う
原因ごとに対策できるグッズが売られています。
例えば、鼻詰まりが原因のいびきの方には、鼻腔拡張テープで鼻腔を広げるようにすれば、鼻詰まりが解消し鼻呼吸できるようになり、いびきが改善するかもしれません。
また、口呼吸が原因のいびきの方には、顎を支えて口を開きにくくするサポーターや口が開かないようにするテープもあります。
睡眠時無呼吸症候群用のマウスピースのように、顎を前方に出すことで気道を広げるタイプのマウスピースもあります。
ご自身のいびきの原因に合わせた対策グッズを使用してみてください。
いびきを止めたいと考えている方は、大阪市中央区のみらいクリニック大阪北浜にご相談ください
当院ではご本人の症状や生活歴などの情報を元に、ご自身に合う治療方法を一緒に探していくお手伝いができれば、と考えています。
効果が現れるまでに数日から数週間かかるものもありますが、適切な期間で試していただき、合わない時はご相談いただければ他の治療をご提案いたします。
症状のこと・治療のことでお悩みの方は、みらいクリニック大阪北浜までご相談ください。
オンライン診療・院内診療に対応しており、LINEからご予約・お問い合わせ可能です。
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