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金属アレルギーの症状とは?意外な原因や予防・対処方法を解説

  • 執筆者の写真: みらいクリニック大阪北浜 院長
    みらいクリニック大阪北浜 院長
  • 6月27日
  • 読了時間: 9分

金属アレルギーで病院を受診される方が年々増えています。特に夏は汗をかきやすいため、時計やアクセサリーに触れる部分に症状が出やすくなります。


皮膚の赤みや湿疹といった見た目の問題だけでなく、かゆみが強く出ることもあり、日常生活にも影響を及ぼします。


また、歯科治療に用いられた金属によるアレルギーも問題となっており、その場合は特に金属が触れていなくても皮膚症状が出るため、金属アレルギーだと気づかれにくいことも多いです。


皮膚の湿疹がずっと治らないな…と思っていたら、実は詰め物などの口腔内金属による金属アレルギーだったというケースもあります。


金属アレルギーでお悩みの方は、大阪市中央区のみらいクリニック大阪北浜にご相談ください。



みらいクリニック大阪北浜内科小児科胃腸内科



金属アレルギーとは


そもそも、アレルギーとは我々の体が異物から身を守るための方法である免疫の一種です。


ウイルスや細菌が一度体内に侵入すると、我々の体はそれを覚えていて、次に侵入した時にはより早く強力に排除しようとします。


その反応が本来反応すべきでない食べ物・花粉・金属などに対して過剰に出てしまったものをアレルギーと呼んでいます。


一般に金属アレルギーと呼ばれるものは大きく2つに分類されます。1つは金属が触れたところに症状が出る接触性皮膚炎で、もう1つは金属が体内に取り込まれたことにより全身に症状が出る全身性金属皮膚炎です。


接触性皮膚炎は、体の表面に触れた金属が汗などの体液にわずかに溶け出し、それを体が異物と認識することで起こります。基本的には金属が触れていたところにのみ症状がでます。


全身性金属皮膚炎は義歯やマウスピースなどに含まれる金属がわずかに溶け出したものを、摂取することによって起こります。


この場合、口腔内にも症状が出ますが、食べ物と同様に消化管から吸収されるため、口腔内だけでなく全身に症状が出ることも多いです。


どちらも、食べ物などのアレルギーと同様に個人の体質による影響が大きく、出ない人は全く出ないし、出る人はいくつかの金属に反応し、症状が現れてしまうこともよくあります。


そのため、自分がどの金属に対してアレルギーを持っているのか、正しく把握することが大切です。




金属アレルギーの症状


掌蹠膿疱症


難しい漢字が並んでいますが、「しょうせきのうほうしょう」と読みます。手のひらと足の裏などに小さな水ぶくれがたくさんできて、しばらくするとかさぶたになって剥がれ落ちます。


次々とできてくる場合や治ってはできてを繰り返す場合があり、いずれにしても症状を繰り返すうちに皮膚が分厚くなって乾燥しカサカサがひどくなってきます。


見た目の印象で他の人にうつしてしまいそう、と思われがちですが、水疱には細菌やウイルスは含まれていないため、他人に感染することはありません。


歯科治療(義歯・矯正)で金属を使用している場合などにも起こる症状ですので、心当たりがある方は一度医師・歯科医師にご相談ください。



湿疹やかゆみ


金属アレルギーの症状として最もイメージしやすいのが、湿疹やかゆみだと思います。


アクセサリーなどの金属に直接触れていた部分が赤くなったり湿疹が出たりすることが多く、比較的早くに症状が出ることもあれば、1日〜2日経過してから症状が出ることもあります。


触れていた場所にピンポイントで症状が出ることが多いため、何が原因だったのかわかりやすく、ご自身で該当のアクセサリーを避けている方も多いのではないでしょうか。


かゆみが原因で掻きむしってしまうと、より炎症がひどくなってしまうため、症状が強い場合は早めの対応を心がけましょう。



口内炎や口唇炎


歯科金属が入っている場合の金属アレルギーの症状として多いのが、口内炎・口唇炎です。


歯科治療で使用している金属に触れている頬の粘膜に炎症を起こすことが多く、それ以外だと舌・唇・口角に炎症を起こすこともあります。


口内炎などは、アレルギーが原因でなくても時々できるものと思われているため、案外原因に気づきにくいこともあります。


実際に、歯科金属を取り除く処置を行なった方から、頻繁にできていた口内炎ができなくなった、というお言葉をいただくこともあります。



口腔扁平苔癬


こちらも難しい漢字が並んでいますが、「こうくうへんぺいたいせん」と読みます。口の中の粘膜が過剰に角化を起こしてしまう、慢性的な炎症です。


原因は明らかにはなっていませんが、歯科金属に触れる部分(頬の粘膜や歯茎など)に多く起こることが知られています。


粘膜が白く変色したり、白い斑点ができたり、赤くただれたりすることもあります。該当部位に痛みを伴うこともあり、口内炎と間違われることもあります。


ごくまれに癌化することが知られており、専門医の定期的な診察を受けることが望ましいです。



味覚異常


舌の表面には味を感じるための器官として味蕾というものがあります。


金属アレルギーによってこの味蕾に異常を生じることがあり、食事や飲み物の味がわからなくなる、感じにくくなることがあります。




金属アレルギーの原因


ニッケル


金属アレルギーの中で最も原因として多いと言われているのが、ニッケルです。


ニッケルは比較的汗などに溶け出しやすいため、我々の体にとって異物として認識される可能性が高い金属です。


また、日本では特にニッケルの使用に関する規制がないため、アクセサリーから硬貨まで様々なものに使われていることも、要因の一つです。


銅にニッケルを混ぜた白銅(100円玉などに使われている)のように、安価な割に錆びにくい合金として重宝しているため、ニッケル製品は身の回りに溢れていると言えます。


ピアスのように長時間に渡って身に触れさせていると、発症のきっかけとなりやすいため注意が必要です。



コバルト


ニッケルと化学的に近い性質を持っているため、ニッケルにアレルギーのある方の約半分はコバルトにもアレルギーがあると言われています。


コバルトも日常的に身近にある合金に多く含まれています。


また、緑や青などの顔料(絵の具)にも使われていることがあり、必ずしも金属的なものでなくてもアレルギーを起こしてしまうことがあるため注意が必要です。



クロム


ニッケル・コバルトには及びませんが、検査で陽性になる可能性が高い金属としてあげられるのがクロムです。


クロムを含む化合物には3価クロム(Cr3+)と6価クロム(Cr6+)があり、金属アレルギーとしての症状を引き起こすのは6価クロムです。


合金から溶け出す可能性が高いのは3価クロムであり、あまりアレルギー症状には関与しないと言われています。


一方、革製品の製造過程では6価クロムを使用することがあり、革製品に触れた部分で汗をかくことで、クロムにアレルギーによる接触皮膚炎を引き起こすことがあります。



こんなものも金属アレルギーを引き起こす


すでに述べた顔料(絵の具)や革製品もそうですが、金属とは一見無関係なものでも金属アレルギーを引き起こすものがいくつかあります。


豆類や貝類などの食べ物


豆類や木の実(ナッツ)にはニッケル・コバルト・クロムが含まれています。また、木の実を加工したチョコレートのような食品にも、同様に金属が含まれています。


そのため、食べた時に口の周りに症状が出ることもあれば、消化吸収した成分が汗に混じって分泌され、皮膚症状として出ることもあります。


他にも牡蠣にはニッケルが、帆立貝にはコバルトが多く含まれていることが知られており、該当する方は注意が必要です。



ココアや紅茶等の飲み物


ココア・紅茶にもニッケル・コバルト・クロムが含まれていることが知られています。


またそれ以外の飲み物でも、ワインにはニッケル、コーヒーやビールにはコバルトが含まれており、飲み物にも金属を含むものが多く存在します。


アルコールの飲み過ぎで調子が悪いと思っていたが、実はアレルギー症状だった、という可能性もあるわけです。


この話を聞いて心当たりのある人は、一度パッチテストなどの検査を受けてみてもいいかもしれません。



排気ガスやタバコの煙


上に述べたような食べ物・飲み物以外にも、排気ガスやタバコの煙のような鼻や口から入るものにも金属が含まれていることがあります。


金属アレルギーの原因として最も多いニッケルがタバコの煙には含まれており、喫煙する方やそのご家族の体調不良の原因となっている可能性があります。


一度禁煙に挑戦したことはあるが失敗してしまった、という方は禁煙外来の受診も検討してみてください。




金属アレルギーの予防方法


金属アレルギーに限らず、アレルギーは可能な限り発症を避ける必要があります。


一度アレルギーを発症してしまうと、その物質を避ける以外に有効な対策があまりないため、まずは発症しないように心がけましょう。


具体的には、汗をかきやすい時期には金属製の装飾品の使用を控えたり、汗をかいた時には早めに拭き取るようにするなど、金属が溶け出さないようにすることが重要です。


同様に、革製品が触れる場所も汗をかかないように、かいた場合はこまめに拭き取るようにしておきましょう。


また、身に触れる金属製品を使用する場合は、その成分にニッケルなどが含まれないもの、純度の高い金やプラチナでできたものを選ぶことでリスクを下げることができます。




金属アレルギーの対処方法


まずは何の金属に対してアレルギー症状がでているのかを把握することが重要です。症状が出やすいアクセサリーの成分を確認することで、原因となっている金属の種類を推測することは可能なので、その金属を避けるようにしましょう。


症状が軽く治りかけているのであれば、市販薬を使用しながら様子を見ることもできますが、症状がひどい場合や治りが悪い場合は、医療機関を受診して検査や治療について相談するようにしましょう。


アレルギー全般に言えることですが、症状が出た状態を放置すると悪化しやすくなるため、早めに症状を抑えるようにすることが大切です。




金属アレルギーでお悩みの方は、大阪市中央区のみらいクリニック大阪北浜にご相談ください


金属アレルギーは、ネックレスやピアスだけでなく、普段口にしている食べ物や飲み物、口や鼻から吸っている排気ガスやタバコの煙でも引き起こされてしまう可能性があります。


金属を身につけていないのにアレルギー症状が出る方や、原因がはっきりせず、上記のような症状が現れている方、金属アレルギーのお悩みがある方はみらいクリニック大阪北浜までご相談ください。


オンライン診療・院内診療に対応しており、LINEからご予約・お問い合わせ可能です。


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